皮膚科
1:アトピー性皮膚炎とは?
アトピー素因(喘息や花粉症など)を持った人が発症する事が多い湿疹で、体の一部から全身に広がる人まで様々です。肘や膝の裏側などに対称性に出現する事が多く、IgEというアレルギー反応の指標となる免疫グロブリンが高値を示します。
治療はステロイド外用剤、保湿剤、プロトピックなどを使用しコントロールしていきますが、小児発症の場合、年齢とともに80%以上で治癒傾向にあります。
2:青春ニキビと大人ニキビの違いは?
青春ニキビは、思春期に発症するニキビで、ホルモンの影響で、皮脂腺の活動が活発になり出現します。(生理現象に近い)これに対して、大人ニキビは、吹き出物のことで、体に毒素がたまり、皮膚症状として出現しています。毒素がたまる要因としては、日常生活の乱れ、運動不足、不眠、食事の乱れなど多くの要因が関与しています。
治療は、ニキビ専用の外用薬や内服の他に、頑固なニキビには漢方薬が奏功する場合があります。
3:水虫はかゆいでしょうか?
夏季には、水虫の患者が多くなり、白癬菌(水虫のかび菌)が繁殖しやすい季節です。水虫は、かゆいと思い込んでいる人が多いですが、実は9割の水虫はかゆくないのです。皮がむけたり、かかとがカサついたり、あるいは水疱ができるパターンがむしろ多いのです。
また、家族内感染の率が高く、バスマット、トイレのスリッパなど共用するとかかりやすいです。治療は外用剤で十分です。
4:爪水虫って?
爪水虫は、長期に皮膚にいる水虫を放置すると発症しやすくなります。爪の端から白く濁ってきて、厚くなって、徐々に変形してきます。重症例では、巻き爪やカタツムリのような爪に変形し、痛みが出たり、靴がはけない、爪が切れないなどの症状が出現します。
5:手荒れは手掌と手の甲で違うの?
手荒れは、手掌と手の甲では原因が異なることが多いです。手の甲では、水仕事などから乾燥して湿疹になるケースが多く、一方、手掌の場合、汗が原因となることが多く、汗疱(異汗性湿疹)と呼ばれています。治療は、共に外用剤で改善することが多いです。
6:湿疹はどんな種類があるの?
湿疹(皮膚炎)は、原因が様々ですので、多くの湿疹があります。接触性皮膚炎、貨幣状湿疹、自家感作性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、皮脂欠乏性皮膚炎など多くの種類があります。
7:足のできもの?魚の目、タコ、イボ?
足の痛みやしこりで来院される患者さんは、殆どの方が、魚の目だと言って来られます。しかし、実際は、違っていることが多いです。魚の目は、荷重部位で指同士がぶつかったり、靴に強く当たる部位にできることが多いです。タコは、角質が厚くなっただけで、痛みはありません。あとは、ウイルスによるイボ(疣贅)は、どこにでもできますが、ウイルスに対する免疫を持っていない子供に多く発症します。皮膚のできものとして、ホクロや粉瘤腫なども出現することがあります。治療法は、それぞれ異なりますので、皮膚科受診が必要です。
8:巻き爪の治療はどうするの?
巻き爪の治療は、感染の回数と程度により変わります。感染が初回の場合、外用剤や内服で改善することが多く、爪切りの指導も必要です。感染が複数回で繰り返す期間が短い場合、あるいは程度が高度の場合、手術が必要になりますが、片足で、局所麻酔を使って約10分程度の手術になります。食い込んだ端の爪の切除とその端の爪母の処理を行います。
形成外科
1:形成外科と整形外科はどう違う?
整形外科は、骨や靭帯を扱う外科です。それに対して、形成外科は、主に皮膚を扱う外科で、皮膚外科と言って良いかもしれません。皮膚のできもの、傷や傷跡などを綺麗に手術する外科とも言えるでしょう。最近は、レーザーを使って、比較的小さな腫瘍、例えば老人イボやホクロなどを簡単に短時間で切除できます。
2:眼瞼下垂症(まぶたが重い、開けにくい)の治療とは?
眼瞼下垂症とは、まぶたが下がってきて、目が開けにくい、視野が狭くなった状態で、年齢とともに誰にでも発症する病気ですが、程度によっては手術が必要になります。手術は、局所麻酔下の外来手術で可能です。まぶたが下がることで、顎が上がる姿勢になるので、首コリや肩こり、重症例では頭痛を伴うこともあります。
3:皮膚のできもの(粉瘤腫、脂肪腫、ホクロ、シミ、イボ)の治療は?
皮膚のできものとして、様々な腫瘍(粉瘤腫、脂肪腫、ホクロ、シミ、イボなど)がありますが、一般的には局所麻酔下で切除します。比較的小さなものは、レーザーを使って、簡単に短時間で綺麗に切除できます。
4:ケロイドや傷跡の治療は?
赤く盛り上がって、かゆみや痛みを伴うケロイドの治療は、あまり知られていませんが、外用剤、内服剤、注射、放射線などの治療法があります。かゆみ、痛み、赤い盛り上がりなどは解消できますが、跡は残ります。また、傷跡が目立つ場合、形成外科の特有の縫合法や傷の方向を変える手術で、目立ちにくくすることができます。特に顔や四肢などの露出部の目立つ傷は、形成外科医に相談してください。
5:やけどしたらどうする?
やけどは、熱湯、火、天ぷら油や化学薬品など様々な原因で発症しますが、まずは直ぐに流水などで最低15分以上冷やすことが大切です。水疱ができたら、破れないように注意して医療機関へ行きましょう。
6:手や顔を怪我したら?
手や顔など露出部の傷ができたら、傷跡を残さない、あるいは目立たないようにするため、必ず形成外科医に相談しましょう。特に乳幼児などは、早めの傷の処置が大切です。